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  • 大学受験はギルド入会試験

    2026年1月19日

    社会学的な観点から大学受験の意義を俯瞰すると、大学受験とは本質的に「ギルドへの入会試験」に近いものだと言えます。
    ギルドとは、中世ヨーロッパに存在した同業者組合であり、特定の職業に就く資格や技術水準を内部で管理していました。製品の品質・規格・価格などは厳しくギルド内で統制され、品質の維持が図られました。販売・営業・雇用および職業教育に関しても独占的な権利を有していたため、自由競争を排除してギルドの構成員が共存共栄することが可能でした。外部の人間が自由に参入することは許されず、入会には厳格な条件が課されていました。

    こうした視点を踏まえると、「AIが解ける試験だから東大入試には意味がない」といった主張は、社会学的理解が著しく不足しています。
    大学入試に限らず、医師国家試験や就職活動も、本質的には既存のギルド――すなわち既得権益の集団――への参加資格を与えるための選抜試験に過ぎません。
    これらはあくまで「より良い椅子」に座るための入会試験なのです。

    例えば、医師の業務の多くは看護師や薬剤師でも対応可能な内容ですが、法律上医師にしか認められていない権限が存在します。
    同様に、有名企業のサラリーマンが行っている仕事も、「その人でなければ絶対にできない」レベルのものは実際にはほとんどありません。
    ある水準を超えれば誰でもよいにもかかわらず、人数を制限する必要があるため、ギルド的に入会資格を絞っているのです。

    したがって、選抜試験の中身そのものを表層的に批判することは、社会の仕組みを十分に理解していないことの表れだと言えます。
    大人であれば誰しも分かっていることですが、入学試験も就職活動も、突き詰めれば単なる選抜に過ぎません。
    入試とは、ギルドとして既得権益側に回る人間を選別するための制度なのです。