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  • 受験産業は学歴偏重主義の社会によって成り立っている

    2025年10月30日

    藤沢数希さんも指摘するように、塾講師(や高校教師)はアカデミアで研究者になれず、ビジネスでも成功していないという、中途半端な立ち位置にあります。
    塾講師のポストを見ていると、驚くほど視野が狭い。
    一日中子どもと接し、同僚も塾講師ばかりの環境では、ビジネスの最前線にいる保護者との感覚がズレて当然です。
    特に港区・文京区・千代田区の保護者層とは、社会階層そのものが違うため価値観の共有が難しい。

    「子どもを社会的・経済的にさせるために一流大学へ進ませる」――港区/文京区/千代田区の保護者にとっては、それは議論の余地もない前提です。

    受験産業に関わる人間は、自分の思想や理想にかかわらず、「学歴偏重社会という構造の上で生計を立てている」という現実を直視すべきです。
    自分は“学歴主義に加担しているつもりはない”と思っていても、構造的には明確にその一部なのです。
    「少しでも偏差値の高い大学に進学することに価値がある」という社会的前提が共有されているからこそ、塾や予備校は存在できます。
    もしその価値観が崩れれば、受験産業というビジネスモデル自体が成立しません。
    受験生の親は、子どもに“教育”を与えるためにお金を払っているのではなく、“社会的に有利なポジション”を得るための手段として投資しています。