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  • 灘や開成に入っても深海魚になる理由 

    2025年10月22日

    中学受験で成功した生徒が、大学受験の段階で伸び悩むケースは少なくありません。

    その本質的な原因は、突き詰めれば「勉強量の不足」にあります。

    しかし単に「サボってしまった」「やる気がなくなった」という単純な話ではなく、その背後にはいくつかの構造的な要因が潜んでいます。もう少し具体的に言語化すると、次の4つのポイントに整理できます。

    ① 英語の適性と初期のつまずき

    中学受験では英語が不要なため、英語に初めて本格的に触れるのは中学入学後です。

    ところが、算数や国語で成功体験を積んできた生徒ほど、「自分が最初からできない科目」に直面すると強いストレスを感じます。

    特に英語は「音」「暗記」「継続」という地味な努力が求められる科目で、理屈で理解することを好むタイプの生徒には合わないことも多いのです。

    メジュソンでは中学1年の段階から、英単語・文法だけでなく、リスニングやスピーキングも含めた総合的な英語力を鍛えます。

    実際、いわゆる“深海魚”になってしまう生徒の9割は、この英語を苦手科目として放置したまま、全体の学習バランスを崩してしまうケースです。

    例えば、数学や理科は得意でも英語だけ偏差値40台で止まってしまい、最終的に志望校の選択肢が狭まる、というパターンが典型的です。

    ② 思春期による親子関係の変化

    中学受験の時期は、保護者の管理下で勉強が進みます。

    しかし中学生になると、思春期に伴って「干渉されたくない」「自分で決めたい」という気持ちが強くなります。

    この親子関係の変化が、学習習慣の崩れにつながることが非常に多いのです。

    たとえば、受験期には毎日机に向かっていた生徒が、中学進学後に「もう勉強しなくてもいいんだ」と気持ちを緩め、徐々にゲームやスマホに時間を取られていく──そんな光景は決して珍しくありません。

    特に中学受験で燃え尽きたタイプの生徒ほど、モチベーションの再構築が難しくなります。

    ③ 算数と数学における抽象度の差

    中学受験の算数は「考える楽しさ」を感じやすい科目ですが、高校数学になると抽象度が一気に上がり、公式や論理の理解が中心になります。

    つまり、「ひらめき」や「感覚」で解けていた問題が、「理論的理解」や「体系的学習」を必要とする段階に入るわけです。

    そのギャップに対応できない生徒は、得意だった数学で足を引っ張られ、苦手意識を持つようになります。

    小学生の頃に「算数オリンピック予選まで行った」ような生徒でも、高1の数学で急に成績が落ち込むことは珍しくありません。

    ④ 精神的な成熟度と自律性

    最後に大きいのが、精神的な成熟の差です。

    中学受験では「与えられた課題をこなす力」が中心ですが、大学受験では「自分で戦略を立て、継続的に努力する力」が問われます。

    目標設定や計画管理、モチベーションの維持など、大人に近いメンタルの強さが必要です。

    つまり、学力そのものよりも「学び方の自立度」が成績を分ける段階に入るのです。

    メジュソンでは、こうした要因を踏まえて「英語の早期強化」「学習習慣の維持」「思春期対応の親子サポート」を三本柱として指導しています。

    単に“勉強時間を増やす”のではなく、なぜ伸びないのかを構造的に理解し、それぞれの生徒に合った成長設計をする──それが中学受験の成功を大学受験の成功につなげる最も重要な鍵だと考えています。