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日本的偏差値ドグマと海外大
2026年2月23日ある記事で「真のトップ層はもはや東大ではなく海外大学を志望している」との主張を目にしました。しかし、この見方そのものが、日本特有の偏差値的発想に依拠している点で興味深いと感じます。東大の“上位互換”としてハーバードやスタンフォードを位置づけるのは、同一の尺度で序列化しようとする思考にほかなりません。(「本当のトップ層は」なる表現が同じ軸を前提にしています。)
実際には評価軸が異なるため、単純な上下関係で語れるものではないはずです。日本では、東大のさらに上に米名門校があるかのように捉えがちですが、それこそが偏差値的ドグマの表れでしょう。基準が異なる以上、優劣を直線的に並べること自体が適切ではありません。理三の学生がそのままハーバードに合格するわけでもなく、ハーバードの学生が理三に通るとも限らない——結局はそれだけのことです。
ただ、逆に「地頭やIQで比べれば東大生は世界のトップ大学にも引けを取らない」といった主張も耳にしますが、これもまた単一の尺度に還元しようとする発想にとどまっています。結局のところ、狭い意味の知的能力という一軸で優劣を決めようとしている点では同型です。
しかし実際には、求められる資質も評価の方法も制度設計も異なります。入試の選抜思想も、教育の方向性も、重視する能力も違う以上、同じ物差しで横並びにすること自体が無理があります。
軸が異なるのですから、「どちらが上か」という問いに固執する必要はありません。それぞれが別の基準のもとで成り立っている――それで十分なのだと思います。
一般入試メインの塾をやっていて、これを言うのもなんですが。