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  • 「基礎固め」教

    2026年3月30日

    受験のプレイヤーとしての経験が薄い保護者などが、SNSや動画サイトで「受験は基礎が肝要だ」という言説を断片的に拾い上げ、面談の場で「うちの子は基礎が欠落している」と断じる光景は珍しくありません。しかし、実際に指導のメスを入れてみれば、その診断とは裏腹に、当人に十分な基礎が備わっているケースは多々あります。
    そもそも、「基礎ができていない」と声高に主張する受験生や親御さんのうち、「では、数学における基礎の定義とは何か」という問いに対し、ロジカルな解答を提示できる人は極めて稀でしょう。
    学習において土台を軽視するのは論外ですが、一方で実態を伴わない「基礎信仰」とも呼ぶべき極端な言説に囚われる危うさも存在します。予備校が「基礎固め」の重要性を説くからといって、果たして九九の暗唱や現在進行形まで遡る必要があるのか?いう話です。
    受験という限られた時間資源において、投資対効果を無視した過剰な遡行学習は、もはや戦略的な敗北を意味します。つまり、基礎の定義すら曖昧なまま「基礎、基礎」と念仏のように唱える行為は、それ自体がまた別の方角を向いた「誤答」に他ならないのです。