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研究機関か就職予備校か
2026年2月12日現在の大学には、研究機関としての役割と就職予備校としての役割という二つの側面があり、どちらに重きを置くかによって議論の方向性は大きく異なります。
東京大学や京都大学が推薦入試や特色入試を導入した背景には、鉄緑会をはじめとする受験予備校が東大入試をいわば「ハック」し、学問的資質を備えた人材というよりも、徹底的に受験対策を積み重ねた受験生が有利になる構造が強まったという事情があるのでしょう。鉄緑などの受験指導塾(我々も)のせいで物理や数学に秀でた地方の天才が東大入試に通らないのは社会的な損失かもしれません
もっとも、これは大学を研究機関として重視した場合の議論です。実際には、東大クラスであっても大多数の学生が研究者になるわけではなく就職やビジネスの道へ進みます。そう考えると、入試が社会的な選抜機能を担っているにすぎないという見方にも一定の妥当性があります。マイケル・サンデル教授がおっしゃる”Sorting machine”というやつです。
もし入試の意義が社会的選抜に限定されるのであれば、極端な話、入学試験の方式等何でもいいのです。
受験生間に差が生まれ、公平性と納得感が担保されるのであれば、どのような形式であっても成立し得ます。その意味では、一般入試もまた一つの合理的な手段だと言えるでしょう。
AIがホワイトカラーの仕事を駆逐するようになれば、大学は本来の研究機関としての役割のみを担い、ある意味健全化するかもしれません。
その時は、我々も鉄緑会も駿台も廃業・倒産でしょうけれど、それも時代の趨勢でしょう。