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学力型AOが至高
2025年11月23日弊塾の理一出身講師もよく述べていますが、受験勉強が教育的価値を持つのは、せいぜい共通テスト7割・偏差値60前後までです。この水準は、大学で学問を進めるうえで必要最低限のリテラシーだと言えるでしょう。
しかし、例えば東大化学の得点を35点から40点に引き上げるための学習は、もはや純粋な受験技術であり、大学の学問とは一切接続しません。鉄緑会の場合、高校1年の段階で大学の教科書を読める実力に到達しているにもかかわらず、そこから先の2年間は選抜ゲームのためのトレーニングに費やしているのが現実です。
もちろん、学力不問の推薦入試が健全とは言いません。しかし、共通テスト7〜8割程度を足切りにしたうえで、学力型AOが普及すれば、学問に必要な最低限の基礎学力は担保しつつ、無駄なテクニック偏重の学習を減らすことができます。指導者側にとっても、生徒側にとっても、より意味のある受験環境になるでしょう。研究力で定評のある東北大学が、入試制度の比重を総合型選抜へ移しつつあるのは、その観点からも非常に意義ある挑戦だと思います。