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  • 少年サッカーと塾

    2025年10月24日

    受験勉強を「投資」と考えるのは、学習塾に子どもを通わせる親の心理を見れば明らかです。多くの親は「良い教育を受けさせたい」という言葉を口にしますが、その根底には「将来の安定した職業」「社会的評価」「経済的自立」といった見返りへの期待があります。たとえば、医師や弁護士、公務員といった資格職は、学力をお金や地位に換金しやすい典型です。つまり、教育は自己実現の手段であると同時に、極めて効率的な“投資対象”でもあるのです。

    一方で、少年サッカーやピアノを習わせる親の多くは、子どもをプロ選手や音楽家にすることを目的とはしていません。あくまで情操教育や経験の幅を広げることが狙いです。しかし、受験勉強の場合、「どの大学に入れるか」が人生の分岐点となる現実があるため、どうしても結果重視の投資的発想に傾きます。

    結局のところ、勉強は最も換金性の高い努力であり、努力が比較的公正に報われる希少な領域です。そのため「純粋に知を追求するための学び」は理想として掲げられながらも、実際には多くの家庭で「リターンを期待した投資」として機能しているのです。