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学歴のコスパを論じる不毛さ
2025年7月20日少し前に「学歴のコスパ」という言葉が話題になりましたが、「万人にとってコスパが良い」選択肢というものは、そもそも存在しません。
なぜなら、本当に誰にとってもコスパが良いなら、市場原理によってすでに修正され優位性が失われているはずだからです。そうなっていない時点で、その「コスパの良さ」は相対的で個別的なものに過ぎません。
そもそも「コスパ(コストパフォーマンス)」という言葉は、コスト=主観的な負担、パフォーマンス=客観的な成果、という異なる性質の要素で成り立っています。
つまり、「コスト」は人によって感じ方が違う主観的なもの。
人間は、自分が得意なことや自分の価値観に合致してるものはコストが低いので、コスパが良いと感じるのはある意味当たり前なのです。
たとえば「早慶文系専願はコスパが良い」と言う人がいたとして、それは本人の学力や価値観が「たまたまそのゾーンだった」というだけ。
理三レベルの人にとっては、早慶文系のコストは非常に低くパフォーマンスも非常に低く映るため、決して“コスパが良い”とは思わないでしょう。
全統偏差値30の受験生にとっては早慶はあまりにも難しいので、パフォーマンスは超高いですがコストはそれ以上に高いのでコスパが良いとは言えません。こうした背景を踏まえれば、「コスパ」という言葉を一般論として語るのはナンセンスであり、あくまで「誰にとってのコスパか?」を明確にした上で考えるべきなのです。