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【灘・京医・鉄緑講師】塾の限界
2025年7月1日塾の指導には、実ははっきりとした限界があります。ごく当たり前の話ですが、授業というのは基本的に「授業で扱える内容」しか伝えられません。限られた時間の中で、講師が解説できるのは長文読解や応用問題の解法、あるいは典型的な出題パターンなどが中心になります。
けれども、英単語を一緒に暗記したり、ひたすら計算練習を繰り返したり、基礎的な反復トレーニングを講師と一緒にこなすというのは、現実的には授業の中ではほとんどできません。つまり、本当に必要な「地道な反復」や「習慣としての学習」は、どうしても自習に委ねられてしまうのです。
もちろん、授業で高度な内容を学ぶことが無意味というわけではありません。むしろ、それは受験で得点を伸ばすための重要なステップでもあります。しかし、それ以上に大切なのは、授業以外の時間――すなわち自習でどれだけ積み重ねられるか、どれだけ自分で手を動かして覚え、考え、身につけられるかということです。
ところが、塾の立場からすると「最終的にものを言うのは自習です」とあからさまに言うのは難しい側面もあります。なぜなら、塾はあくまでビジネスとして成り立っている以上、「通ってくれれば結果が出る」と思ってもらう必要があるからです。だから、どうしても「授業中心でなんとかなる」というイメージを作りたくなる。
でも現実は、授業はあくまできっかけにすぎず、本当の意味で学力をつけるのは、授業の外でどれだけ真剣に取り組めるかにかかっています。だからこそ、塾に過度な期待をしすぎず、自習の重要性をちゃんと認識して、自分のペースで積み上げていく意識が何より大切なのです。