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中学受験で成功する生徒
2024年6月27日中学受験で伸びる生徒
全体編
「中学受験で伸びる生徒」について巷では様々な噂がされています。今回はその中でも「これは正しい」、といえる代表的なものを挙げ、どのようなサポートをすればそれが伸ばせるのか、といったことをメインテーマとして紹介していこうと思います。全体編① 地頭が良い
最初から先天的なものか…と思われた方、少しお待ちください。ここでは「伸ばせる力」としての「地頭」をメインテーマとしております。
中学受験ではまことしやかに囁かれる、元々難関校に受かる子は決まっているという「先天的地頭絶対論」ですが、私はこれのうち多くは家庭での接し方で鍛えることができるのではないかと考えています。
まず、前提として私がここで言いたい「地頭」の定義とは授業で習った内容をその週に覚え、応用する力です。
つまり「地頭の差」というものは同様の授業を受ける中で
1覚える速さ
2教えられた内容から応用を始められる力
の二つにより作られていると言えます。
まず、1覚える速さを上げるにはどうすればよいでしょうか。覚える速さそのものに関しては持って生まれたものが多いかもしれません。しかし、脳科学などでは早期・継続した反復が人間の記憶について大きな影響を持つと言われています。実際、特に暗記物の成績が良い子は授業日もしくはその翌日に授業内容の大まかな復習をしていることが多いです。次回書く予定である家庭での学習習慣で補える範囲であり、保護者の皆様でサポートしやすい部分でもあります。
では、2教えられた内容から応用を始められる力の方はどうでしょうか。
算数などで主に差がつくのはこちらですが、これに長けている生徒に特徴的な傾向として「手がよく動く」「手がよく上がる」といったことが挙げられます。
大前提として、その授業における前提知識を理解している(低学年であれば四則演算、高学年であれば基本的な公式など)ことは共通しており、その上で「積極的に試行錯誤をする」ということが大きな特徴です。
この試行錯誤をするかどうかにかかっているものは「自信」でしょう。自身が手を動かせばわかる、と思うこと、知識を教師から教わるものと思いきっていないこと、これらの心構えとそれを支える成功体験が授業内容の応用で大きな差をつけます。
つまり、子供に「2教えられた内容から応用を始められる力」を求めるならば、低学年の間は丁寧に基礎を固め、子供自身で問題を解き、正当できたことを褒める、といった親子での向き合い方が重要になると言えます。全体編②家庭での学習の習慣化がされている
中学受験においては塾の時間が大きいとは言っても差をつける最も大きな要因は家庭での学習です。家庭での学習がルーティンワーク化されており、毎週の課題をこなしていくだけでも偏差値は安定します。(逆にほとんどの受験生は課題を消化できずに進み、わからないまま次の内容に取り組むことがより不理解を生んでいると言えます。)
中学受験家庭の不和の大部分もこの「家庭学習」により起こっているため、親子共にストレスにならずにこなせる仕組みづくりができるだけで負担がとても少なくなると言えるでしょう。
勉強の習慣化は東大受験生でも一人では難しいもの。膨大な量の中学受験の課題について小学生のお子様にそれを期待することは無理があります。自室で勉強していると思って目を離していたらゲーム三昧だったということもよくあることです。
しかし、保護者の方がマンツーマンで見るというのも時間の都合が難しいでしょうし、お子様との衝突が多発して勉強どころではない、ということもよく起こりえます。
では、どのようにして習慣化を行えば良いでしょうか。
私がお勧めしたいのが、多くの成績が良い家庭で行っていることとして一番に挙げられる「リビング学習」です。
家にいる保護者の方々が家事や仕事をしているリビングでお子様に勉強をしてもらう、というものになります。
この方法の良い点としては、お子様に程よい緊張感を与えて監視ができることが一番に挙げられます。多くのお子様は保護者の目の前ならば真面目に勉強ができますし、保護者の方が過介入になることでお子様自身の考える力や主体的な思考の発達を阻害してしまうことを防げます。
ご家庭の事情から難しい場合も、ファミリーレストランなどで遊び道具に手をのばせないようにしたり、自習の監視ができるサービスを利用する、といった手があります。(手前味噌になりますが、メジュソンに入塾いただければ自習管理は完璧です。)
中学受験において最も気を付けなければならないことは保護者様に熱が入りすぎてお子様の主体性を毀損してしまうことです。ご家庭の事情やお子様の様子を見ながら家族全体でゆとりがもてる状況を作ってあげましょう。③体力がある
受験生を見ていて思うこととして、受験とはスポーツの亜種であり、受験生はアスリートである、というものがあります。
大事な試験などの後に異常に疲労した経験や空腹になった経験はないでしょうか。勉強は体力を使うものであり、長時間の学習を意味のなすものにするには学習者本人がその疲労とうまく付き合うことが必要になります。結局勉強において最後に勝負を決めるのは最も本人に火がついている時期に勉強をどれだけ持続・集中してこなせるか、という勉強体力です。
この重要性は特に直前期の追い上げで「逆転合格」を成し遂げられるお子様において顕著に現れます。「受験直前の一ヶ月の勉強は八ヶ月分の価値がある」などという俗説もあるように重要な直前の「仕上げ」の時期に息切れせず受験校の対策を成し遂げられることは大きなアドバンテージです。
この勉強体力を鍛えるのに重要なことは2つ。言わずもがな運動経験、そして、「活字慣れ」です。
一点目の運動経験に関してはわかりやすいでしょう。サッカー・野球といったスポーツの経験や水泳、バレエといった習い事を幼少期から継続して行って置くことがお子様の基本的な体力を形成します。個人的にはゲームの弊害はここに出るように感じます。外遊びなどで体力が形成される期間に屋内でおとなしく過ごしすぎてしまうことは後々の勉強体力に大きな影響を与えます。(地頭の暴力で上位クラスにもゲーム好きな子は多く存在することは事実ですが…)
二点目の「活字慣れ」とは「知らない内容の文章を読んで疲れないようにする」と言い換えていただけるとわかりやすいかもしれません。中学受験において文章を読まない教科は存在しません。となると必然的に受験勉強と文章読解は切っても切り離せない関係になります。
保護者の皆様は直近でどんな本を、もしくは文章を読みましたでしょうか。知識の少ないものを読むとき、途中で集中が切れてしまった経験はありませんでしたか?お子様にとって受験勉強はそのような体験の連続であると言えます。
そのため、お子様の勉強を持続させるには、文章を読むという第一段階での疲労が極力起こらないように読書などで「活字慣れ」をしていただくと成績は上がりやすいです。
近年ではヨンデミーをはじめとして読書習慣をつけるためのサービスも多く整っていますが、私個人としてお願いしたいのは保護者様自ら読書する姿をお子様に見せていただくことです。お子様は保護者の方の姿を見て育ちます。お子様と一緒に本を読み、それについて話すといったことを読み聞かせの次のステップとしていただくと良いと思います。
今回の内容は受験には直接関係ないものとなりましたが、お子様にとっての中学受験の成功のみならず、豊かな時間をすごしていただくために是非とも活用していただきたいです。